昨年、クラウス・シュルツェのボックス"Big In Japan"の装丁をやったとき、スポンサーさんがシュルツェのイラストを入れたいとおっしゃった。で、知人の絵を描ける人に頼んだところが、ぼくのイメージと大きくちがっていたため、時間もないし自分で描いてみた。上から、シンセサイザー、ギター、鍵盤を演奏しているところ。このボックスセットは高額だったにもかかわらず、直ぐに完売してしまったので、あまり人目に触れることなく市場から消えてしまった。後に独盤と米盤が出たが、この絵は確か使われてなかったような。それなので、いまさらだけど絵だけ本欄にアーカイブしておく。
Simon Finn/The Distance Between Stones: Live In Japan 2011
遅ればせながら先月、キャプテン・トリップ・レコーズより、サイモン・フィンの来日公演の模様を音と映像で収めたボックス・セット"The Distance Between Stones"が発売となっています。2枚のCDと、約40分収録のDVD、それと32ページの歌詞・対訳付きブックレットからなるセット物で、完全限定500部生産。キャプテン・トリップのWebサイトで購入したら3インチCDのオマケ付きとなります。 このパッケージ・デザインを担当させてもらったのでご紹介します。
アレキサンダー・スキップ・スペンス(Moby Grape)のトリビュート盤"More Oar" (1999)なるものがあって、スペンスが99年に肺がんで亡くなっているから、没後、あるいは病気が発覚して企画が進んだのだろう。あの危ういサイケっぽさはオリジナルには及ばないものの、収録アーティストの多くがなかなか深い歌声と演奏を披露していて、総じてわるくないアルバムだ。また、最後にシークレット・トラックとして、スキップ・スペンス本人の最後の録音とされるLand Of The Sunが収録されている点も見逃せない。なんでもこの曲は『Xファイル』のサントラ用に書かれたもののボツになったということだ。 この中から1曲、アレハンドロ・エスコヴェドという人を選んでみた。ぜんぜん知らなんだが、テキサス出身のSSWだそうで、ソロもたくさんある。昨年出たアルバムには、ブルース・スプリングスティーンやイアン・ハンターも参加しているそう。スペンスのオリジナルは、こんなだ。 ところでこのトリビュート盤の1曲目を飾るのは、なんとロバート・プラント。ツェッペリンにおけるプラントのヴォーカルは、ザ・フーのロジャー・ダルトリーに同じく、時として苦手なんだが、そんなこともあってプラントのソロは1枚も聴いたことがなく、枯れた味わいのヴォーカルに少しく驚いた。スペンスのオリジナルはと言えば、遠い境地のようだ。 ちなみにぼくは、"Oar"の中ではWar In Peaceがいっとう好きなんだけど、マッドハニーのカヴァーは駄目過ぎた。
ブリティッシュ・フォーク/トラッドの歌い手は、実に声質に惚れぼれする人が多い。中でもぼくはニック・ジョーンズの声にしびれてしまう。 ニック・ジョーンズのいちばん好きな曲、Farewell To The Goldが実は他人の曲だと知ったのは、このシリーズを書き始めていろいろ調べた所以の偶然だった。ニュージーランドのフォーク歌手、Paul Metsersという人が1968年頃書いた曲ということだった。当初の録音物があるかどうかはよくわからなかったのだけど、ニック・ジョーンズのヴァージョンが収録されている"Penguin Eggs"が1980年。その翌年にはニック・ジョーンズもコーラスで参加した当人のヴァージョンがリリースされている。カヴァーにはちがいないので挙げさせてもらった。 肝心の当人のヴァージョンが見当たらなかったのだが、YouTubeには、いろんな人のヴァージョンが上がっていたので少し貼っておく。玄人はだしも含むけど、そのへんは問題ではない。
数あるミニマル・ミュージックの古典曲の中でも、In C ほど繰り返し録音された曲もないいのではなかろうか。ぼくでも10種類くらいの異なる演奏を持っているくらいだ。その中でももっとも意表をついたのが、1970年録音のアンフォニのヴァージョンだろう。 アンフォニというのはよく知らなかったのだが、1964年から74年にかけて活動したハプニング・アート系の集団であるらしい。ギター、ベース、ドラムに加え、うねうねしたシンセサイザーのような音も聞こえてきて、完全にサイケである。アナログもあるようだが、ライリーのアーカイヴ・シリーズのうち"Reed Streams"というCDで聴くことができる。 In C をロック的に解釈したものとしては、 The Styrenes や、Acid Mothers Templeがある。前者のスタイリーンズは、1975年にオハイオ州クリーヴランドで結成。土地柄もあるのかペレ・ウブと関係の深いバンドであるようで、アントン・フィアがドラムだった時代もあるそう。初期は割とふつうに歌モノのロックをやっているのだが、なぜか2000年になってIn C を録音している。
むかしちょっとだけ兄といっしょに住んでいた時代がある。兄はカントリー好きだったので、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドを聴きながら夜な夜な酒を飲んでいた。ニッティ・グリッティはこの曲と、むかしのフォーク・ソング、Will The Circle Be Unbrokenが好きだった。後者はペンタングルのヴァージョンもきらいじゃない。こんなものもあった。 ボ−ジャングルのオリジナルは、ジェリー・ジェフ・ウォーカーで、こっちは下北沢の飲み屋で聴きながら、夜な夜な酒を飲んだ。
あまりのハマリ具合にカヴァーと知らないでそれを聴いていた人も多いんじゃないかと思うが(あ、俺です)、オリジナルはフリートウッド・マックで、彼らが1969年に出したシングル Man Of The WorldのB面に収められていて、A面B面ともにアルバム未収録だそう。 レジロスのヴァージョンは、ジョー・カリスのソリッドなリフもさることながら、やはり脳天気な男女ヴォーカルの掛け合いが心地好く、特に最後のフェイ・ファイフに萌え萌え。 レジロスのファーストには他にGlad All Over (Dave Clark Five)、I Like It (Gerry & The Pacemakers)のカヴァーも。Somebody〜は、カウント・ビショップスも、ライヴ盤(ビショップス名義)で披露していた。
Wayne County & The Electric Chairs / I Had Too Much To Dream (Last Night) (The Electric Prunes)
ところで、ナズ・ノーマッド&ザ・ナイトメアーズよりちょっと遅れて、XTCがやはり、デュークス・オブ・ストラトスフィアという変名を用いて疑似サイケ・アルバムをリリースした。ぼくはどちらかと言えばそっちのほうが好きだった。Bike Ride To The Moonとか、いま聴いてもぜんぜん盛り上がる(カヴァーではありません)。この曲はシド・バレットとシドのピンク・フロイドをイメージしたんじゃなかろうか。BikeとかScream Thy Last Screamあたりを参考にしてるっぽい(カヴァーじゃありません)。
ネタに困って挙げたのではなくって、本心から好きだったりする。 ジェフ・ベックはヤードバーズ脱退後、ミッキー・モストのプロデュースで、Hi Ho Silver Lining、Tallyman、そしてこのLove Is Blueの3枚のシングルを立て続けにリリースする。どれもベックが望んだ路線ではないというが、ぼくはどれもきらいじゃない。特に Hi Ho Silver Liningなどは、歌が下手すぎてチャーミングですらある。 「恋は水色」は、ポール・モーリアの楽曲と思われがちだが、1967年にユーロヴィジョン・ソング・コンテストにルクセンブルグ代表として出場して歌い、4位になったヴィッキーのL'amour Est Bleuがオリジナル。翌年にポール・モーリアがイージー・リスニング調に編曲したヴァージョンがアメリカで大ヒット。これを受けて同年、ベックのシングルがイギリスでリリースされたが、それほど話題にはならなかった。
83) Claire Hamill / Something To Believe In (Steve Miller Band)
クレア・ハミルの3枚目"Stage Door Johnnies" (1974)は、レイ・デイヴィスのKonkレーベルからリリースされた名作。プロデュースもレイで、1枚目2枚目よりも泥臭い感じに仕立てられている。家で、というよりは行きつけの飲み屋でよく聴いたアルバムなので最近まで気づいていなかったのだが、上記曲は意外にもスティーヴ・ミラー・バンドのカヴァーであった。スティーヴ・ミラー・バンドはごく初期しか聴いていなかったので、こいつはしくじった。73年のアルバム"The Joker"に収録。よく見るレコードだけど未聴でした。
最初は"I'm Your Fan(邦題:僕たちレナード・コーエンの大ファンです)" (1991)に収録された曲で、ぼくはそれをもっていなくって、後に『バスキア』のサントラを入手して聴くことができた。けれど、ライヴ"Fragments Of Rainy Season(邦題:追憶の雨の日々)" (1992)のヴァージョンのほうが好きかな。来日時、ケイルはライヴの最後にこの曲を選び、演奏が終わって静かにピアノのふたを閉じたのにえらいシビレたことを昨日のことのように思い出す。 この曲はジェフ・バックレーも演っていて、実は初めて聴いたんだけど、これもすごくいい。 御大のオリジナルも、もちろんわるくないんだが、この映像に関しては後ろの人がちらと顔をのぞけるのはいかがなものか(笑)
77) Nico / I'm Not Sayin' (Gordon Lightfoot)
ニコのこのデビュー・シングル(1965)は、ゴードン・ライトフットが書いた曲で、自身も65年にシングルをリリースしている。どちらが先かわからないのだが、カヴァー扱いにしておいた。Immediateからリリースされたこのシングルのプロデューサーは、ジミー・ペイジ。ペイジが書き下ろしたB面曲The Last Mileもなかなかの佳曲だ。 上の映像は、DVDにもなっている"Nico Icon"というドキュメンタリー・フィルムで観ることができる。同作には若き日のイギー・ポップが拝めるEvening Of Lightも収録されていて、必見。